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[R18][SakaUra] ごちそーさまでした♡

Author 雪うさぎ@

Link: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19070345

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ATTENTION

こちらはnmmn作品になります。単語の意味が分からない方、苦手だという方はブラウザバックをお願いします。
・リアルにいる方のお名前を借りた作品になりますが、ご本人様とは何の関係もございません。SNS等での拡散、晒しは御遠慮下さい。
・関東住みの書く関西弁です
・きつい性表現、♡喘ぎが含まれております
・urさんがハーフの淫魔です。ただあんまりハーフ要素はありません。

以上が大丈夫だという方のみ次ページにお進みください。

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「ねぇおにーさん、俺に精液くれない?」
「帰れ変態」

...とまあこんな流れでつい1ヶ月ほど前、俺は夜の街で声をかけてきた淫魔を拾った。それも、日々の苦痛に死のうと決めて歩いた街の中でしつこく声をかけてきた淫魔を。
ストレスのあまり頭がイカれたのかって?俺もそう思いたかったけれど、そうでは無い証拠として今目の前に本人が居る。目をぱちぱちとさせながら、キッチンで何やら料理をしてくれている彼。俺の目線に気づいてかこてん、と首を傾げた。

「さかちゃんなに、どうかした?」
「...あーいや、なんでもない」

戸惑ったみたいなその顔は悔しくも可愛らしくて、どうにも調子が狂う。彼、ことうらさんを拾ったのは1ヶ月ほど前だ。職場のストレスから毎日と人生が嫌になって、その全部を終わらせようとした俺の前に現れた変人。俺を抱け!と迫ってくるうらさんに流されるようにして、まんまと俺は彼を家に上げた。その時はどうなってもいいやと言う投げやりな気持ち半分だった。別に、家に連れ込んだ後に殺されたとしてそれはそれで問題なかったし。まあそれは実際はただの杞憂だった訳なんだけど。

(...まさか、ここまで長くいてくれることになるとは)

最初は変態だなあ、としか思ってなかったうらさんは思った以上に優しくて気が回る淫魔だった。うらさんは俺を殺すどころか、俺の毎日をより健康な方へ方へと変えて行った。彼が来てから俺のQOLは爆上がりした事だろう。そんなもの計測しようがないけれども。うらさんに引っ張られて連れていかれた美容院で短く切られた髪をくるくると指に巻き付ける。人の目が怖くて目が隠れるくらいに伸ばしていた前髪も、彼の注文の元ばっさり切られ、今は両目がはっきり見えるM字前髪である。なんでこんなことするんや、と初めは泣きたい気分にもなったけれど、なかなかにこれがみんなに評判が良かった。
陰湿な嫌がらせをしてきた同僚も控えめになったし、陰口を叩いてばかりいた女性社員もやたら話しかけてくるようになった。初めは新手の嫌がらせか?と考えていたけれど、そのほんのり紅く染まった頬を見て気が付いた。なかなかに、顔は武器にもなるらしい。俺が今まで生きてきて知らなかったその事実を教えてくれた彼は、曰く淫魔と人間のハーフ。向こうの世界での家もあるらしいけれど、俺の家を気に入ってくれているみたいでしばらく同居状態である。狭苦しい男の一人暮らしのどこがいいのかはいまいちまだ分かっていない。

「ほんとー?まあいいけど」

そう呟くとまた手元に視線を落とす。その姿を怪しまれない程度にそっと見つめた。人ならざるものの血が入っているからなのか、肌は人間離れして白く、すべすべときめ細やか。淫魔という特質なのか、触れた肌は柔らかくてふわふわしていた。つん、と尖らされた唇も桜色でなんとも可愛らしい。
本当にこれだけ見ていると、最初俺に向かって抱け抱け、精液をよこせと下品な言葉を叫んでいた人だとは思えない。むしろ実際はそういう表現が苦手で、ドラマのそういうシーンでそっと目を逸らすような人だ。なんで最初はあんなキャラだったのだろうか。その真相は聞いたらいけないような気がしてまだ聞けていない。

「さかたー、ご飯出来たから取りに来て」
「はいはーい」

俺がご飯を食べている様子を見るのが好きらしいうらさんは、毎日のようにご飯を作ってくれる。食欲が無くて食べたり食べなかったりを繰り返していた、うらさんが来てくれる前の俺が知ったらきっと仰天する事だろう。一人で取る食事は味気なくて、食べる気にもなれなかった。でもうらさんが俺のために用意して作ってくれるご飯は温かくて、優しい味がする。ついつい食べすぎてはしまうけれど、そのおかげで骨が浮きつつあった身体にはしっかりと肉がついた。
それに寝室にはベットがひとつしかないから、うらさんは夜も一緒に寝てくれる。うらさん曰く夢との相性がいいとかいう淫魔の効果なのか、人肌の効果なのかは分からないけれど、うらさんと寝るようになってから頑固な不眠が消え去った。おやすみ3秒である。即寝の同僚のことを笑えない身体になってしまった。

「今日生姜焼きね」
「やったあ」

うらさんのおかげで美味しくて栄養あるものを食べて、たくさん寝て、職場でのストレスも軽減して。急に人らしい生活を取り戻した俺は、めきめきと元気を取り戻していた。元気って回復してから、あの時無かったんだって気付くものなんだと最近知った次第である。

「坂田明日おやすみ?」
「そーよ、なんか買い出しとか行く?」
「んー、特には無いけどちょっと服とか見たいなぁ」
「了解、なんか欲しいもんとかあったら言ってな、買うから」
「えぇいいよ、俺もお金無いわけじゃないし」

うらさんも向こうの世界で何か仕事をしているらしい。詳しくは教えてくれなかったから、いかがわしいこと?って聞いたら顔を赤くしてお腹に猫パンチ程度の威力のパンチを食らった。初心な淫魔ってなかなかのジレンマを感じるけど、こんなことを言ったらもっと怒られそうだ。
二人で向かい合ってうらたさん作の生姜焼きを食べ(ご飯が進んで進んでとても困った)、順番こにお風呂に入ってからテレビを見てくつろぐ。ドライヤーを面倒がる俺を見かねてうらさんがやってくれて、テレビを見ながら俺がソファーで寝落ちたのを見計らってうらさんがベッドメイキングをしてくれて。うらさんにおんぶに抱っこのまま、今日も夜が過ぎていった。つい頼ってしまう自分を変えようと何回決心したかは、ついぞカウント出来そうにない。

「...おやすみぃ」
「明日は目覚ましかけなくていいんだよな?特に無いし」
「うん、大丈夫。ありがと」

並んで歯を磨いてから二人揃ってベッドに入った。まだ短針は12を少し過ぎた所だ。なのに眠気がこみ上げてきてまぶたが勝手に下がってくる。何とか目を開けようと半目になる俺を見てくすくすと笑ったうらさんが、そっとまぶたをなぞって閉じさせた。羽が触れるみたいに柔らかく肌を撫でた体温が一瞬で離れていく。明日が休みだという開放感と隣に人がいてくれる安心感に眠りはあっという間にやってくる。いや正確には完全な人では無いけど、まあええわ。
布団と毛布を掛けているのに少し寒い。夢とうつつをさまよう意識の中で、隣にある温かい体温をぎゅっと腕の中に閉じ込めた。ふわふわで温かい。あー、幸せ。

「ぅわっ、お前、ちょっと...まあいっか...」

何やら声が聞こえるけど、もうそれを聞き取って意味を読み取ることなんて出来そうにない。ぴ、という小さい音と同時に真っ暗になった部屋と同時に、俺の意識も深く眠りに沈みこんだ。

ーーーーーーーー


何となく、甘美な夢を見ていたような記憶は薄らある。微かに残った甘い余韻に浸りながら、そっと目を開けた。カーテンの隙間から差し込んでくる光はもう早朝のものでは無い。寝すぎたなぁと思いつつ欠伸を噛み殺した。あー今何時やろ、時計どこあったっけ。
そう思いながら軽く上半身を起こす。目に入ったパジャマのボトムの中心部分はゆるりとテントを張っていて、そういえば最近全く抜いてなかったなと思い出した。うらさんが来る前は鬱っててそれどころじゃなかったし、来てからは一緒にいる時間が多くてそんな余裕もなかった。身体と心が健康を取り戻して、思い出したみたいに性欲が帰ってきたのだろう。あー、なんかもどかしい感覚がする。たしかに久しぶりだ。そういやうらさんどこやろ、と考えて身体に落としていた目線を上に上げる。

「...え?」

思わず声が漏れたのを許して欲しい。うらさんは俺と同じでまだベッドにいた。静かだったから気が付かなかったみたいだ。
ただ、その状況が問題だった。ぺたんと女の子座りしたうらさんがある一点にじっと熱い目線を送っている。綺麗な緑色の瞳が、俺の足の付け根当たりをじっと見つめている。...いや、そんなざっくりとしたものじゃなくて。

(...うらさん、俺の股間見てる、よな?)

布を押し上げて主張している陰部に間違いなく釘付けになっている。なんでそんなとこ見てるんだ、と思い、いや元々この人淫魔のハーフだったと思い出した。まじまじと股間を人に凝視されることは当たり前ながら普段は無い。朝から盛んなやつみたいで恥ずかしい、と思うと同時にほんの少しぞくりと背筋を走る背徳感があった。
うらさんが、色欲を顕にして今俺をそういう対象で見ている。そんな事実に喉が鳴った。うらさんのぷるんとした唇から真っ赤な舌がちろりと覗き、控えめに唇の端を舐める。その後にごくりと動いた喉に釣られるようにして、自分も唾を飲み込んだ。夢の余韻でまだ興奮が身体に後を引いて残っている。うらさんに煽られそれが再燃したようだった。色欲に捕らわれているうらさんは、俺が目を覚ましたということに気が付いては居ない。もしうらさんが気が付いていたなら、いくら本能に引っ張られていたとしても何とか押し切って平静を装っているはずだ。

(...えろ、)

うっとりとした顔で主張する男の象徴を眺めているうらさんは、そこはかとなくエロかった。俺男も行けたん?って気付くくらいにはエロかった。体の中の熱を逃がしたいのか、ふ、とうらさんが息を吐く。その息遣いを聞いて、俺はうらさんが好きで、男じゃなくてうらさんを抱けるだけかと気が付いた。
そりゃそうだ。人生で1番弱っているときに支えてくれて、いたわってくれて、何よりも大事にしてくれた人を好きにならないはずがない。しかも公平に見ても可愛らしい顔をした子に。あーそっか、俺うらさんが好きやったんか。まともな恋なんて学生の頃以来していない。だから、この気持ちが何なのかなかなか気が付けなかった。

「...ぁ、♡」

微かに声を漏らしたうらさんが、ゆらゆらと腰を揺らしてシーツに下半身を擦りつけている。普段は邪魔だから、としまっている角としっぽも平常心を失っているからか姿を見せ、ゆらゆらと揺れていた。想いを寄せる人の痴態を覗き見しているような状況にぐらぐらと脳が沸騰するような感覚になった。あかん、これ、無理かも。

「うらさん」
「えっ、え、坂田...!?起きてたの!?」
「随分楽しそうなことしてたやん、なぁ?」

堪えきれずに声をかけると、びっくりしたのか尻尾がぴんと伸びて上を向いた。可愛い。一度自分が彼のことをそういう意味で思ってると気がついてしまえば、ありとあらゆる部分が可愛らしく見えてしまう。恥ずかしさからか真っ白な顔にさっと赤みが射して、潤んだ目がこっちを見つめた。慌てたように俺から距離を取ろうとするうらさんに、そうはさせないと体を起こして腰を捕まえた。
こんなに煽られておいて、そのままはいそうですかと解放する訳には行かない。据え膳食わぬはなんとやら、だ。

「ひぅ、」

抱き寄せて耳にキスを落とせば、耳の端まで赤く染めたうらさんが微かな声を漏らした。嫌がる素振りのない様子に、これは少し期待しちゃってもいいんじゃないかとそわそわする。腰に回したままの腕により強く力を入れ、胸元で抱きとめた。

「...うらさん」
「ひっ」

耳元で囁くとびくりと肩が跳ねる。恥ずかしそうな顔をしてうらさんが身体をを捩ったタイミングで、太ももに硬いものが当たった。視線を落とすと彼の逸物もしっかりと反応してスウェットを押し上げている。
俺が局部を見ていることに気が付いたうらさんがそっと顔を両手で覆った。わぁ、そんなことしちゃうんや。かわええ。

「うらさん、えっちな気分なっちゃったん?」
「や、そんなことは、」
「...俺も、おんなじ。ちょっと痛くてきついんよね、ほら」

軽く言葉でそう促せば、うらさんは操り人形みたいに大人しく局部に目をやった。先程よりも張り詰めたように見えるそこを、ハートを浮かべているような目付きで見つめるうらさんに喉が鳴る。
そっと顎を掴んでこっちを向かせ、衝動的に唇を重ねた。ピンク色のそこは想像していたよりも遥かに柔らかくてふわふわで、夢中になって唇を貪った。ほんの少し空いていた口の隙間から舌を捩じ込んで絡み合わせる。興奮してくれているのか、熱い口の中に頭が焼き切れそうになった。

「...ふ、」
「んっ、ぁ、♡」

口付けを交わしているだけなのに小さく声を漏らすその甘美な姿に、ますます自身が張り詰める感覚がした。今まであまり性欲自体は強くなかったはずだ。事実、自分でする時は勃ったら抜く程度の頻度だった。それなのに今は自分の理性をコントロール出来なくなるくらいに、目の前のこの人を組み敷いて貫きたいという衝動に駆られていた。どうにか、このままやることやってしまったらただのレイプだと理性を引っ張り出す。くっついていた唇を離してから深呼吸をした。

(...なんやこれ、落ち着け自分)

今までに体験したことないくらいの男としての衝動に困惑する。これが相手が淫魔の血が混じったヒトだからなのか、それともうらさんだからなのかは分からなかった。
長いキスに酸欠になってしまったのか、水っぽく潤んだ目が俺を見上げる。きゅ、と服の裾を握られていたことに気が付いて胸が締め付けられるような気持ちになった。そういやあんま慣れてないんやな、とふと思う。ハーフとはいえ間違いなく人の精を糧に生きる淫魔の血がうらさんにも流れている。今までに誰かとこういうことした経験あるのかな、と考えて今度はちりちりと焦げ付くような気持ちがした。他の人にも、こうして甘えてたりしたんかな。うわあ、なんか嫌。自分の心の狭さをしみじみと噛み締めつつ、涙で少し濡れたうらさんの目尻をそっと親指で撫でる。瞑られたままだった目がそっと開いて若草色の瞳が揺れるのが見えた。

「...しない、の?」

弱々しく紡がれたその言葉に雷に打たれたような衝撃が走った。それと同時に、必死に張り巡らせていた理性の糸が全てぶち切れる音がした。恥ずかしかったのか、顔だけじゃなくて首まで真っ赤になっている。真っ赤になって、目をうるませて、ぎゅっと服を握ってきている好きな人を前にして、耐えられる人がこの世にいんのか?

あーもうダメ、限界。

とろんと蕩けた目をしたうらさんをシーツの海に押し倒し、つるつるのナタデココみたいなおでこにキスを落とした。

「シて、ええの?」
「...うん」

つ、と耳を指で撫でればびくりと肩が震えてぎゅっと目が瞑られる。耳弱いんや、可愛い。
うらさんが着ている首元が緩いTシャツの襟ぐりをぐっと下げ、強くキスマークを残す。擽ったそうに身体をよじるうらさんを無視しつつ、何個も何個も首元に痕を残した。真っ赤に残った印に満足して口を離す。肌が白いだけにキスマークの色が映えて、とびきり艶かしくて。

「ぅん、っ♡」

服の上から分かるくらいに主張していた胸の飾りを軽く撫でただけで甘い声をうらさんに、ムラムラを飛び越えてイライラしてきた。なんでこの人こんなにエロいん?
人差し指と親指で挟むようにしてぐりぐりと服の上から刺激する。それだけでうらさんは腰を浮かしてビクビクと震えた。本当はもっと全身を愛撫してから、時間をかけて愛したいけど、今は余裕が無さすぎてそんなの無理だ。

「あーもう、えっろ...」
「ひぁ、っ!?♡」

がっと服を捲りあげれば、真っ白ですべすべの肌が晒される。思わず手を伸ばせば吸い付くように滑らかで、肌も柔くて気持ちよかった。彼の好みで暖房はしっかりと効いている。寒くは無いだろうと判断してそのままインナーごと上まで引っ張り上げた。

「ばんざいして?」

そう言えば、屈辱を受けたような顔をしながらも大人しく従ってくれる。衣類を脱がさせる、と言うよりも剥ぎ取ってからベッドの下に落とした。後で畳むから許して欲しい。
勃ちあがっていた胸の中心を押し込むように親指で押せば、いやいやをするようにうらさんが首を振った。チョコレート色の髪がシーツに散る。うらさんのさすがにこれが本気の嫌じゃないってことは分かるから、無視して続けた。ふっくらとした柔らかい胸の周りも揉みしだきながら、頂点に口づけを落とす。こりこりと硬い感触のそこを唇で挟むようにして刺激する。お腹に当たるうらさんのそれが、ビクビクと震えて反応しているのが嬉しかった。

「...さかた、それ」
「ん?あぁ、当たってた?」

無意識のうちにうらさんの太ももに屹立を擦り付けていたらしい。頬を赤く染めたままのうらさんが腕を伸ばして、ちょんっと俺の反応しきった陰部に触れた。

「...その、おれ、しよっか?」
「なにが?」
「くち、で」
「え"っ」

予想してなかった言葉に変な声が漏れる。瞬間で俺のソレを咥えるうらさんの姿が脳裏に浮かんで、慌てて打ち消した。そりゃまあ、してくれるんならもちろんして欲しい。俺のを気持ちよくしようと頑張ってるうらさんが見たい。

「やってくれるん?」
「うん」

そういうやいなや、体制が逆転する。ベッドに寝っ転がっていたうらさんが身体を起こし、俺の腕を引っ張ってベッドに座らせた。
うらさんが俺の足の間に割り込んで、そっと膨らみに手を当てる。確かに興奮を宿した目でそこを撫でさする姿があまりに扇情的すぎて、そっと目を逸らした。

「ふ、げんきじゃん」

ズボンを下ろしたことで、よりその輪郭がはっきり分かるようになった。しっかり勃って上へと反り返ったそこに、うらさんがパンツ越しに舌を這わす。布1枚隔てているから感覚はぼんやりとしている。ただ、その焦らされる感覚にすらじわじわと興奮が高まっていった。
パンツを歯で挟んで下ろせばすぐに陰茎が飛び出してくる。ぶるん、と効果音が付きそうなくらいに張り詰めたそれを見て、うらさんが幸せそうに目を細めた。

「ん、はぁっ♡」

精液が溜まってたぷたぷになった精嚢を手で遊ばせながら、躊躇いなく先端を口に含む。ほっぺたが先端の形に膨らむのを見ながら、その熱くてとろとろの咥内の刺激に眉を寄せた。ちろちろと舌が雁首の段差を辿るように這ったと思えば、急に奥まで咥えられる。ずろろ、と奥へ奥へと逸物を招かれて、漏れそうな声を堪えるために口を手で覆った。
サイズ的に、口の中には入り切らないはすだ。普通は。ただ俺のものを受け止めきれて満足そうな顔をするうらさんの鼻は、すっかり下生えに埋もれている。ん、♡とうらさんが小さく声を漏らす度に喉が締まってぞくぞくとした。うそやん、めちゃくちゃ軽々とイラマしてる。

「ん"...ふ、ぁ♡」
「...ぁ、うらさんやば、きもちぃ...」

ゆるゆると頭を前に動かされて、逸物全体を喉でしごかれる。口から出た部分は手で擦られ、もう片方の手で袋を揉みしだかれた。全身を使って気持ちよくさせられて、次第に快感が何か込み上げてくる感覚へと変わる。
それを察したかのように亀頭部分をほじくるように強く舌で擦られ、腰が震えた。やばいこれ、すぐ出る。

「...うらさんあかん、出る...っ、」
「いーよ、出して?」
「咥えたまま喋らんといて...!」

口に含んだまま喋られて、ぎゅうっとよりいっそうキツく締められる。は、は、と息を吐きながらうらさんの頭をぐっと掴んでゆるく腰を振った。

「ふ、ぁ〜っ、」
「ん、ちゅ、ふぅ"っ♡♡」

ごんごん、と喉の奥を突くと締まる喉奥の柔さが堪らない。苦しいだろうからやめてあげなきゃ、と思うのに腰が勝手に動いて止まらない。だんだん奥から上がってくる感覚が鮮やかになり、ハメていた逸物を一番奥に押し込んだ。

「っ、あ"ーっ、イクっ...!」

視界が白くなるくらいに深く達し、射精した精をうらさんの喉に流し込む。流れる度にごくごく、と喉を鳴らして嚥下する様子に、出している最中ながらムラっとした。ゆるゆると2、3回腰を揺らして搾りきってから抜いた。
抜いた時に唇の端にくっついたどろりとした白濁液を、ぺろりと舐めとってご満悦な表情を浮かべるうらさんに、また局部に熱が集まる感覚がした。衝動的にまた唇を重ねて、まだほんの少し苦さとえぐみの残った舌を絡める。その勢いのまま肩を押して、もう一度うらさんをベッドに倒した。

「かわいーね、うらさん」

薄いパジャマを押し上げている膨らみを手で少し摩ると、少し湿った感触と同時にびくりと震えた感覚が手に伝わる。早急にパジャマだけを脱がせば、幾分小ぶりなそれが黒いパンツを押し上げていた。中心部分が分泌液でしっとりと濡れていっそう黒く染まっている。先端部分をかりかりと爪で引っ掻くとうらさんが切なげな声を漏らした。
その声に耐えきれず、少し荒々しく下着まで剥ぎ取った。初々しいピンク色のそれにかわいい、と思いながらそっと手で包み込んだ。

「...ゃ、あっ♡♡」
「きもち?」
「ん、ふぅ"...!♡」

ちゅこちゅこと音を立てながら、先走りでぬとついた屹立を上下に擦る。特に特殊に動かしてもいない単調な動きにも、耐えかねたようにどろりと分泌液がこぼれた。
少しまだ皮を被っているそこを下にぐっと下げ、現れた幹を親指でやさしく擦った。俺が手を動かす度に小さく堪えたような声を漏らすうらさんがかわいくて、我慢していない声をもっと聞きたいという気持ちに襲われた。手を動かす速度を早め、もう片方の手のひらで先端を包むように刺激する。

「ぃ、やっ、まってそれダメ、ん"ぅっ♡♡」
「ビクビクしてんね、かわい」

しばらくその動きを続けていると、次第にうらさんの声が息が詰まったようなものへと変わってきた。そろそろイきそうなんかな、と思いつつ腕を動かしていれば、突然手首が弱い力で握られた。
二人しかいないこの部屋で、そんな事をするのは一人しかいない。どうしたん?と顔を覗きこめば薄く涙の膜の張った目で上目遣いに見つめられた。

「ねぇ、そっちいや、こっち触って...?♡」

こっち、と言いながらしとどに濡れた後ろをするりと撫でる。ひくひく、と収縮するそこは先走りか体液かでしとどに濡れていやらしく光っていた。...あー、もう、この淫魔は!
足の半ばに中途半端に引っかかっていたパンツとズボンを脚から抜いて、そこら辺に投げ捨てる。そして中指と人差し指を纏めて後孔へと突っ込んだ。

「ふ、はあぁっ♡きたぁっ♡」
「ナカあっつ、やば...」

とろとろに蕩けた中は指を待ち望んでいたようにぎゅうっ♡と絡みつく。ふわふわで熱いそこに早く自身を突っ込んで満たしたくて、息が荒くなる。
奥まで指を挿入して、幅を広げるようにぐちぐちと指を動かす。指を動かせば動かす程に溢れ出てくる分泌液によりいっそう水音が大きくなった。後ろを解す俺の手に絡みつくように、しっぽが手首に巻きついて来た。可愛くはあるけど、少し動きにくかったから脚を押さえる手でまとめて押さえつけた。

「ひィっ♡」
「あれ、尻尾だめなん?」

強めに握った瞬間に背筋を反らしたうらさんに、新たな弱点を見つけたと嬉しくなる。うらさんの太ももに擦り付けるように握って押し当てれば逃げようと脚がバタついた。

「暴れちゃあかんよぉ、じっとしてて、な?」
「ゃ、同時むりィ"っ♡...ぁ、まって、つよい"っ...♡♡」

前に男は前立腺を弄って気持ちよくなるんだと小耳に挟んだことがあった。突っ込んだ指を腹側に曲げ、少し感触の違う一点をぐりぐりぐりと押し込むようにして刺激する。きゅんきゅんと搾り取るように締め付けてくる内壁をかき分けるように広げれば、手で覆われた口からくぐもった声が漏れてくる。
手首ごと動かすようにして、少し強めに奥まで指を挿入して内壁を擦る。ぬるぬるでふわふわのそこに、早く突っ込みたいという気持ちが昂ってきた。上がってきた体温に衣類が邪魔になって、ばさりと脱ぎ捨てる。陰部だけ露出させてずり下ろされていたズボンと下着も纏めて脱ぎ捨てた。さっぱりした、と思いながらまたうらさんに向き直れば、じっと食い入るようにこっちを見つめていて身じろぎする。

「...なに、どしたん?」
「えっ、あっ、いや...」

どうしたのかとそう問えば、こっちを直視しかねたように目を伏せる。あ、睫毛長。カーテンから差し込む朝日に薄らと照らされて出来た影が瞳に影を落としていた。
もしや最近食べ過ぎて直視できないほどに太った?と一瞬心配になったけれど、やたら恥ずかしげなその様子にそうじゃないかと思い直した。

「んふ、恥ずかし?かわいー」

そういえばきゅんっと締まった中に抗うようにして、もう一本薬指まで挿入した。そう抵抗もなくあっさりともう一本受け入れたうらさんの腰が浮く。入口を重点的に拡げ、もういいかと思った段階で三本纏めて抜いた。

「っ、はァ...♡♡」

指が抜かれた後孔はぽっかりと開いてひくひくと収縮している。てかてかとやらしく光るそこにごくりと唾を飲み込んだ。身体を近付け、数回太ももに逸物を擦り付ける。ふわふわのその感覚に息を詰め、男根を待ちわびるように開いたそこへと先端を嵌めた。

「...挿れるよッ...」
「ん、いーよっ♡」

ずぶ、と少し突っ込んだだけでしとどに濡れたそこは抵抗もなくあっさり逸物を受け入れる。1番太い所を挿入し終わった時点で何とか動こうとする腰を止めた。ふ、と息を吐き、なんとか意識を他に逸らそうとする。気を抜いたら今にも奥までぶち込んで、好き勝手に身体を揺らしてしまいそうだった。ぽたりと汗が垂れてうらさんの首元に落ちる。

「...はー、ナカあっつ...やば」
「あ〜ッ♡♡おっきい♡さかた、ねえもっと、はやく...っ♡」

媚びるように甘ったるいその声に、本格的に理性が飛んだ。くらりと頭を揺らされるような感覚がして、気がついたら思いっきり中まで差し込んで奥を穿っていた。

「はッ〜♡♡きた、おなかきもちィっ♡♡」
「...は、なんやこれ、気持ちよすぎやろ...っ、」

柔らかくて熱いそこに竿全体を包まれて搾られるような感覚に、腰が止まらなくなった。一際強く奥を貫けば、きゅんと締まった内壁が性器に絡みつく。絡みついてくるそれを引き離すように引き抜いて、また差し込む。
セーブなんて出来やしない、本能のままの行動だ。それに嬉しそうな顔をしてうらさんがお腹を手で撫でる。その純粋な表情とやらしいナカとのギャップに、またしても脳がぶん殴られるような衝撃に襲われる。

「ぁ〜っ、もう、エロ過ぎやろ...!」
「やっ♡はやくなったぁっ♡♡あ"〜ッ♡♡きもちっ♡♡」

まだ張っている袋がぺちぺちとうらさんのおしりを叩く。ぱんぱんと激しく肌と肌がぶつかり合う音が静かな部屋に響いた。戯れに手前の凝りを先端で擦りあげると、んっ♡と甘美な声が漏れた。
ぎりぎりまで抜いて、雁首で入口を引っ掛けるようにして擦った。先端だけが包まれているのもまた気持ち良くて、眉間に皺が寄る。

「...ゃ、むり、さかたっ...!♡♡」
「は、イきそ?ええよ、イッちゃいな」

きゅんきゅん、と中が定期的に締まるようになり、うらさんが蕩けた声をしてこっちに手を伸ばしてきた。気持ち良さに溺れきったその表情をもっと見たくて、腰を揺らしながら舌を絡めた。わざと水音を立てるようにして激しく舌を絡め、先端を吸う。くぐもった声を漏らすうらさんのナカがぎゅうっと締まったタイミングで前立腺をごちゅんっ♡と音がするほど強く突き上げた。

「〜ッ...♡♡」

俺のお腹に擦れていたうらさんの自身から、熱い液体が飛んで二人の肌を濡らす。ぬとついたその感覚に彼が達したことを知り、重なったままだった唇を離した。快感からか流れた涙がつうっと目尻から流れている。それを指で拭ってシーツに擦り付けた。

「...ごめん、俺もそろそろあかんわ」
「ぁ、あ"ッ、?♡♡」

両手で脚を目いっぱい開いたままシーツに押し付ける。この有り余った精を、全部うらさんにぶつけたくて仕方なかった。力をセーブ出来ずに、ごんごんと音がしそうなほど強く奥を突く。先端が最奥に吸いつかれているような感覚が堪らなく気持ち良くて、動く腰が止まらなかった。柔い内壁を割開くように押し入れ、うねる胎内の熱さと圧迫感を受け止める。
一突きごとに締まる中に次第に限界が高まってくるのを感じる。ぱんぱんと肉と肉がぶつかり合う音がどんどん早くなっていき、奥の方から込み上げてくる感覚が近付いてきた。

「あーっ...あかん、イクっ...!!」
「あっ、は、ァっ♡♡」

目の前が白くなる程の深い絶頂に、思わず息を詰めて浸った。びゅる、びゅる、と数回に分かれて出てきた精液を奥の奥に擦り付けるようにゆるく腰を振る。長かった射精も終わって一息吐く。多分、今回一生で1番出した。
さっき出したばっかなのに案外自分、元気やなあと思いながら幾分冷静になった頭で屹立を引き抜く。引き抜かれてぽっかり開いた隙間から、真っ白などろりとした半固体のものが流れ出してきて、また不届きにも盛り上がろうとする煩悩にそっと蓋をした。うらさんは余韻に浸っているのか、虚空を見上げながら肩で息をしている。そのお腹に舞っている白濁はさっきよりも増えていた。この人、俺が出した時にイッたんか。やば、えろ。

「うらさん、すきよ」

半開きになったままの口にキスを落としてそう呟く。そういえば行為中はそっちに気が取られて伝えられていなかった。気だるげな顔、可愛ええなぁとか悠長なことを考えながらもう一度キスをした。
くわ、とその2回目のキスで目を覚ましたかのように、半分眠ったようだった瞳が唐突にぱっちりと開いた。まん丸に見開かれたその猫目に首を傾げながら、ほっぺを人差し指でつんつんする。ふにふに。

「...すき?」
「ん?」
「さかた、すきなの?」
「あっうらさんのこと?好きよ、言えとらんかったね」

キスに行為まで受け入れてくれたから、てっきり俺の気持ちなんてすっかり把握されてるものだと思っていた。でも随分その表情は吃驚したようなもの。分かって貰えてなかったなら悪いことしたな、と反省し、謝ろうと口を開こうとした時だった。

「うらさ、...うわぁっ!??」

さっきまで口を一文字に結んで力なくベッドに体を預けていたうらさんが、急に身体を起こして座ったままの俺を後ろに押し倒した。急なことに抗うことも出来ず、そのまま大人しくシーツの海に沈み込む。仰向けにさせられた俺の身体の上に乗っかってきたうらさんの表情は逆光になってこちらからは見えない。
まだ元気に反り返っている俺の自身の上で、ぱかりとうらさんが脚を左右に開く。丸見えになってひくついている後孔が、さっきたっぷりと出した精液がたらりと滴ってくるのが見えた。小ぶりな性器もしっかりと反応して反り立ち、期待したようにふるふると震えている。

「ねぇ足んない、さかちゃんももっかい行けるでしょ、♡もっとちょーだい♡」

すりすりと逸物を後孔に擦り付けるように腰を揺らすうらさんを下から見上げる。背後ではつややかな黒のしっぽが手ぐすね引くみたいにゆらゆらと揺れていた。

「ッ〜〜、あーー、もう!!!」
「ぁ、はっ♡♡きたぁっ♡」

その痴態、強請る目付きに抗えず、思いっきり腰を突き上げた。腰を振る度にさっき出した精が掻き出されて真っ白なうらさんの太ももを伝う。

「あ"っ♡♡おく、奥までキてる...っ♡♡♡」

騎乗位で上から乗っかっているから体重と重力で深く入るらしく、さっきよりもうらさんの動きが慎重だ。がばりと脚を開いて恥ずかしい所を全部晒したまま、俺に好き勝手揺さぶられているうらさんが官能的でどうしようもない。
上半身を起こして胸に吸い付けばもっとイイ声が上がった。痛くない程度に歯で軽く噛めば、いやいやをするように首が振られて腰が引けた。あんなに煽っといて、逃がすわけあるか。うらさんに今までにこういう事の経験があるかは分からない。でももしあったとしても、今日で記憶も身体も全部塗り替えられる位の快感を与えてやりたい。俺だけを望むように、俺だけを受け入れるように。

「ね、うらさんいっぱい楽しもーね♡」

耳元でそう囁けば中がそれだけで締まる。朝っぱらからこうして行為に耽っている罪悪感も無いわけじゃないけれど、それにすら興奮が煽られるようだった。
躊躇ったように視線を逸らしたうらさんが、一瞬間を置いてからこくんと頷いた。気持ちが高ぶってきてぺろりと唇を舐める。絶対、抱き潰してやる。


おまけ (※smさん友情出演)

「ふー、ねむ...」

1週間も初めの日、土日でなかなかハードな時間を過ごしてしまったせいで薄らとまだ疲れが残っている。眠い目を擦り擦り、最寄りからの家路を歩いた。寒いし眠い。うらさんの今日のご飯は何やろ、とぼんやり考えながら機械的に足を動かした。
一昨日初めて俺はうらさんと体を重ねた。そこで初めて自分の恋心に気がついて、その後に複数ラウンドを終えた後にくたびれきっているうらさんに交際を申し込んだ。半分寝てそうな瞳で、それでもそれを嬉しそうに瞬かせて微笑んでくれた。だから家で俺の帰りを待ってくれているのは名実ともに愛しの人である。あ、人では無いか。ただ、寝て起きて平常心に戻ったうらさんの動揺の仕方は半端なかった。

『いっつもこんなんじゃないから!坂田があまりに美味しそうな匂いさせてるから!!』

俺はいつもは正常だ!と主張してくるうらさんを、逆に墓穴掘ってる気がするな...と思いつつはいはいと宥めた。淫魔とは言ってもハーフだから精を摂取しなくても、食べ物からで生きては行けるらしい。ただ勿論血が交じっているのでこの上ないご馳走には感じてしまうのだとか。確かに、存分に中に出して口に出された後のうらさんの肌はいつも以上につややかだった。

「ふわぁ...」

さっきから欠伸が止まらない。滲んだ涙を手袋をはめた手でそっと拭って伸びをする。今日の夜空は雲ひとつない快晴で、月や星が明るく瞬いていた。帰ったらうらさんに教えたろ。
そう考えたところで、目の前に随分たくさんの蝙蝠が羽ばたいてるのに気がついた。好きな人の方が少ないとは思うけれど、その例に漏れず俺もあんまり得意では無い。嫌やなぁ、と思いながら僅かな足掻きで道の端っこを歩こうとした時。

「よお」
「うっ、わああぁあ!?!!!?」

唐突に目の前に一人の男が現れて、親しげに声を掛けてきた。え、待ってまず誰?というかどこから来たん?
黒のローブを纏った紫髪の男は影を宿した瞳で真っ直ぐ俺の事を見つめていた。瞳はちょっと青みがかっている。随分かっこいい男だ、とそこまで観察して、唇からちらりと覗いている尖った犬歯に気がついた。

「...ヴァン、パイア?」
「そー」

しなを作った仕草で仰々しくお辞儀をしたヴァンパイアに二、三歩後ずさる。嘘やん、これ俺もしかして殺される?血搾り取られるフラグ?
どうせ死ぬならうらさんに精を搾り取られて腹上死したかった、と現実逃避したところで目の前の男が首を傾げるのが視界に入った。

「随分びっくりするんやね、うらたさんに対しては大して驚かんかったって聞いたけど」
「...え、うらさん?」

急に耳に入ってきたよく知っている人の名前に警戒心が少し緩む。反射的に返した言葉に目の前のヴァンパイアがこくりと頷いた。

「そー。あれ、もしかして俺の事話されてない感じ...?」
「存じ上げない、ですねちょっと...」
「嘘やん、俺坂田のことはめちゃくちゃうらたさんから聞いてんのに...なんかショックや...」

ひとりでショックを受けているヴァンパイアの事は放っておき、ひとまず頭の中で状況を纏めた。どうやらこのヴァンパイアはうらさんの知り合い。それも、うらさんが俺のことまで事細かに話すってことはなかなか親しい友達ってとこだろうか。

「えっと、じゃあはじめまして...志麻です。うらたさんとはあっちの世界での昔馴染み?みたいな感じで...今は俺のやってるお菓子屋さんでたまに働いてもらってもいる」
「あっうらさんアンタ...いや、えーっと、志麻さんのところで働いてたんか!!知らんかったわ」

思った以上にクリーンな感じで働いてた。あまりにうらさんが口を開いてくれないから、ピンクとは行かないまでもダークな仕事をしているのかと思っていた。
でも、それなら俺にも教えてくれてよかったやん。落ち着いてきたところでちらりと嫉妬が芽生えてくる。

「あれかも、制服が...その、ちょっと可愛めやから嫌やったんかなあ?最初着せた時もめっちゃ嫌がってたし」

そんな俺の状況を見越したかのように、志麻さんが助け舟を出してくる。でももしそうなら尚更見たい。帰ったらうらさんにもっと突っ込んで聞いてみよう。

「で、なんかあったんですか...?」
「え?ああ、特に用は無いんやけど。うらさんが一目惚れしてアタックしてアタックして付き合ったゆー人はどんなんかなーって気になって」
「...へ?」

うらたさんは渡さん!とか喧嘩を売られることを覚悟していたからこそ、予想外の言葉に拍子抜けした。まって、それよりも、うらさんが俺に一目惚れしてたって?

「あれ聞いとらんの!??俺今度怒られそー...言ってええんかな...」
「言って」
「アアハイ...」

あまりに必死な俺の態度に気圧されたのか、案外素直にヴァンパイアは口を開く。そう悪いやつじゃなさそうだ。

「まずある日うらたさんが恋する乙女の顔しながら、俺に『一目惚れしちゃった...!』って言ってきたわけよ。うらたさんハーフやからしっぽと角隠せるやん?だからそれで、毎日坂田のことこっそり窺ってたらしいんよ」
「えっ」

全く、知らなかった。というかうらさんと会う前の俺なんて、ぼさぼさ髪のやつれた野郎だ。あの面食いなうらさんがどこを気に入ってくれたのか全く分からない。

「どこがなんやろ」
「なんかもう全部好き!って言うとったで」
「わぁうそぉ...」
「そう。で、しばらく見守ってたんやけどだんだん坂田の生気が薄れてきた...ってうらたさんが心配しだして。」

正直心当たりしか無さすぎる。元々職場は辛かったけれど、死を決意する3、4日前からは悪いことが立て続けに起こっていて、もう生きるのも嫌で嫌で仕方なかった。でもまさか、そこまでバレていたとは。

「で、本格的にあかん!って日にうらさんが俺坂田を助ける!って決心したんよ。でもあの人本来ちょーー奥手やし淫魔したこと無かったからめちゃくちゃ挙動不審やったよなぁ」

からからとおかしそうに笑う志麻さんの言葉の中に、ずっと気になっていた情報があった。食いつくように距離を縮め、問い詰めるように言葉を投げた。

「うらさん、俺以外に淫魔として接したことあらへんのですか!?」
「え?ああうん、そうよ。俺は純粋な淫魔じゃないから、精取らなくても生きてけてほんとよかったーってよく言っとったもん。だから最初淫魔としての誘惑方法が分からんくなったみたいでただただ下ネタ連呼してたらしいで。後で猛省しとった。」

そんなことで猛省しちゃううらさん、かわいい。習慣のように出てきたその思考を一瞬隅に置き、現実を噛み締めた。そっか、うらさんのあの最初の変な発言は、そうして接するのがはじめてだったからなのか。俺を助けようと必死になってくれてたからなのか。
愛しさが一気に湧き出てきて、顔が綻ぶ。早く愛しの人を腕の中に閉じ込めて思いっきり抱きしめたかった。微笑ましそうに俺を見つめていたヴァンパイアが軽く伸びをした。

「俺もうらたさんが心配でさ。最初っからコウモリに化けて監視してはいたんよ、めっちゃいたの覚えとらん?」
「あー、そういえばたしかに」

うらさんとはじめて会った日。その日にも空にはたしかに蝙蝠が数多く羽ばたいていた。

「でももう安心やな、うらたさんもお目が高いなぁ?最初からこんな男前捕まえて」
「ちゃいますよ、うらさんが色々してくれてるから何とかそれなりに見えてるだけです」

男前に男前と褒められて、居心地が悪くてぶんぶんと顔の前で何度も手を振る。尖った犬歯を見せて楽しそうに笑った志麻さんがとん、と、1歩後ろに飛び退いた。

「じゃあそろそろ俺は帰るわ。坂田の顔見れたし満足した。今度またゆっくり惚気聞かせてや」
「え、うらさんには会わんで大丈夫ですか?」
「仕事ん時会うから平気よ。じゃあな」

そういうや否や、ぽわんと1羽の蝙蝠へと変わった志麻さんが瞬いて上へと消えていく。その後を追うかのように、何羽かの蝙蝠も飛んでいった。

「...使い魔、ってやつなんかな」

ぽつりとひとりで呟く。嵐みたいな出来事だった。はじめて知ること、俺の知らないうらさんの一面。その全部が頭をぐるぐるしている。

「...帰ろ」

ただとりあえず、今は俺が思っている以上に俺の事を好きでいてくれているらしい恋人に、会いたくて会いたくて堪らなかった。

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