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[R18][SenShima] HEARTSHOCK♡ERROR

Author: 紫暮

Link: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21798343

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※一部の歌い手様の名前をお借りしておりますが、ご本人様とは一切関係ありません。
※腐向けnmmn作品となっております。苦手な方はご遠慮ください。許せる方のみお願いします。
※無断転載・SNS拡散・誹謗中傷などはお控えください。
※方言苦手です。多少おかしな点があるとは思いますが、ご了承ください。

※R-18、♡喘ぎ、濁点喘ぎあり
※ふわふわ設定中身ないです

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「………、て………きて…!……おきてってば!!」

「……んん、…なにぃ?…………」

「、っでぇぇぇ!?!?」

記念すべき、三連勤の三日目の朝に事件は起きた。胸にトス、トス、と規則的に重みを感じながら、「おきて」と一人と一匹暮らしの志麻は絶対に体験することの無いモーニングコールで意識を覚ました。

そこにいたのは、小柄な胴体に薄紫の大きなしっぽを付けて瞳をクリクリさせている、リス。

そう、リス。

「………は???」

「ぉっ、やっと起きたぁ! おはよう!まーしぃ!早速なんだけど本題に入って良いかな!」

「…………いやいや、まてまてまてって」

「ぼくはまぁる!もちろん知ってるよね!気軽にまぁるちゃんって呼んでね!」

「……は??おいおい、まてって」

「今日ここに来たのには理由があって、」

「まてや!!!」

朝イチからこんな大声を出したのは初めてだ。声がカサつくが、そんな事を気にしていられない程頭がぐるぐるしてしまう。なに、まぁるちゃんが、動いて、しゃべってるって?なに?

分かりやすく眉間に深く皺を寄せ、意味が分からない、という顔をしているのが分かったのか。まぁるちゃんはキラキラと輝く瞳を伏せ、トテ、と志麻の胸に座り先程よりも落ち着いたトーンで話し始めた。

「…んー、そうだよね。いきなり過ぎちゃ意味分かんないよね」

うーむ、と小さな口を尖らせて悩む素振りをした後、ひとつ呼吸を置き話を再開した。

「でも、ごめんね。とにかく時間が無いんだ、僕にも、まーしぃにも」

「…え、俺にも…?」

「そう。これは一分一秒を争う話なんだ。…こんな見た目の奴がこんな展開で出て来るなんて、漫画みたいで信じられないだろうけど……でも、本当にまーしぃの救いになりたくて、こうやって直接話に来たんだ。本当だよ」

「今はまだ信じられなくたって良いよ。でもぼくは真剣に話すから、まーしぃも真剣に聞いてくれたら嬉しいな。どうするかはその後決めてくれたら良いしね」

可愛らしいぬいぐるみの姿からこんなに真面目な言葉が出てくるとは思わず、謎に感心してしまう。「真剣に話したい」「本当にまーしぃを救いに来た」そう言われてしまっては、ぬいぐるみが喋るなんて有り得へんやろ、という言葉も出せなくなってしまう。こんな異世界漫画みたいな展開からは想像できない真面目な空気、はたから見たら意味がわからないだろう。自分自身もよく分かっていない。ただ、志麻にもまぁるちゃんにも「時間が無い」という言葉を聞いてしまった以上、つべこべ言ってられない。もう、乗っかってしまおう。決意を込め、小さく頷いた。

「…ありがとう。じゃあ、早速本題から話すね」







「このままだとまーしぃは、明日から『一生イけない身体』になっちゃうんだ。で、それを防ぐには『おしりの穴を使っていっぱいメスイキしてメス堕ちする』しか方法が無いんだ…」

「…………………なんて??」

「だからぁ、一生イけない身体になりたくなかったら、メスイキいっぱいして潮アクメガンギメして無様に雄ちんぽオネダリしちゃうぐらいメス堕ちしなきゃいけないって、」

「なんか増えてない?」

ぱちぱちと瞬きをしながら疑問符をいっぱいに漂わせる志麻に、リスの癖に大きくため息をこぼすまぁるちゃんは呆れたように続けた。

「はぁぁ…さっき真剣に聞いてくれるって言ってたのに……時間が無いんだから何度も言わせないでよね」

「いやいやいやなんでそっちが怒ってるん??それだけは不服なんやけど??なんでなん??」

「だぁかぁらぁ!時間が無いの!!今日の0時までにメス堕ち出来ないとダメなの!メス堕ちって知らないの??そんな一回や二回のセックスじゃ出来ないんだよ?今日の0時までには気ぃトばしてなきゃいけないんだよ?わかる??事の重大さ分かる??」

「分かる分かる分かりますよ!!嫌という程!!重大すぎるやろ!!三十路にして貞操の危機やぞ!!!」

「じゃあやめる?今日だけの辛いのから逃げて、一生辛い方選ぶ?一っっ生イけなくて良いのね?」

ぐぬぬ………、と目線を泳がせ返答に困ってしまう志麻を見て、にやりと口角を上げるまぁるちゃん。テコテコと志麻の顔の方に歩いてきて顎に手を置き、大きな瞳を細めてゆっくりと追い詰めるように口を開いた。

「一生イけないとか、…とんだ大地獄だよねぇ?どんなに熱が溜まっても、ぴゅーって出来ないんだもん。ぐるぐるぐるぐるして一生気持ち良くなりきれないんだよ?」

「……淫乱なまーしぃには、耐え難いでしょ」

ぴくり、志麻の身体が小さく震えた。

「っは?ぃ、淫乱やないって」

「嘘だぁ、ぼく、知ってるよ?」

「まーしぃは自分で後ろの穴に指入れちゃうようなド変態だもんねぇ?」

「へ」

なぜ、なぜそれを。どこでだ、なぜ。

ドクドクと心臓の音が早まる一方で、指の先は驚く程冷えきっていく。じわりと汗が額に滲んで、忌まわしいあの日の記憶と、それを見られてしまっていたことへの羞恥が頭を占領していく。

「い、ぃ、一回っ!!一回だけやし!!そ、それに、別に気持ちよぉなかったし!!変態って言うな!!覗き見する方が変態やっ!!」

「でも、普通の人は指を入れようとも思わないはずだよ?その好奇心がある時点で立派な変態だよ〜!」

……くそ。言い返せない。ごもっともだと思ってしまった。

性に貪欲な事は、まぁ自覚しているつもりだ。精通も早い方だし、有難い事に恋人にも困らなかったので童貞も早くに捨てた。ここまでは別に良い。ただの性欲つよつよ野郎で済む。ただひとつ問題だったのは、その要因が「相手の乱れる姿が好きだから」とかではなく「自分が気持ちよくなりたいから」というところにある事だった。とにかく気持ちいい事が好きだったのだ。

案の定、学生の頃はヤりたい放題だったが、この仕事に就いてからは羽目を外せなくなってしまって、なかなか満足しきれない日々が続いていた。一人で自分を慰めていた時、やっぱり足りないな、と感じながらふと思い立ってしまった。

本当に些細な好奇心だった。慣れた手つきでローションを手に取り、つぷりと後ろに人差し指を突き立ててみた。するとどうしたもんか。気持ちいいどころか違和感だらけで異物感がすごくて。性に関してはかなり飲み込みが早い自信があったけれど、これは違うなと感じてすぐに指を抜いた。まさかその瞬間をこいつに見られていただなんて。信じられないけど、ぬいぐるみが喋るような世界らしいから、もうなんでもありだ。

確かに、俺はアナルに指を入れた。でもその一回きりなんだ。それが気持ちよかったなら二度や三度やってるはずだろう。「一回きり」という言葉でもう分かって欲しい。俺に後ろの才能はない。

「うーん、まぁ確かにね。今のとこは無理そうだよね」

「しれっと心の声読まんといてくれる?」

「でも!心配しないで!そうくると思って、とっておきの魔法を覚えてきたんだ!」

「人の話を聞けるようになる魔法とか?それはええね。俺、その魔法賛成。さっそく俺に教えて貰えるかな?」

「よし、じゃあ早速…!」

もうダメだ。会話が出来ない。もうつっこむ気力もなくなってしまった。どうしたらいいんだろうか、本当にこいつの言う通りにやらなきゃいけないのか。もちろんやりたくもないし考えたくもない、なんならここから逃げ出したいけど。「一生イけない」 もしこいつの言う事が本当なら…あぁ、もう、俺にどうしろと、

「おい、しょっ!」

「……っ!?、あ゙つ!なに!?」

突如おへその下辺りにジリジリとした焼けるような熱が広がった気がして思わず声が出る。反射的にそこを見ると、こちらに背を向けてお腹の上に仁王立ちしたまぁるの尻尾が見えただけで、肝心の熱い所が見えない。どいてくれ、と言おうとも、衝撃に耐えるので精一杯の身体は意味のある声を出す力さえも無かった。

なんとか目を凝らしたその瞬間、目を疑うような事が起きた。今の今まで感じていた痛みを瞬間的に忘れてしまう程のことが。

ばさ、ぱさ、と音を立てる毎にキラキラと鱗粉のような光が舞うその光景はあまりにも非現実的で言葉を失ってしまう。リスなんじゃなかったの、本当は何者なの、なぜ、天使のような羽根が付いているの。聞きたいことは沢山あるのに。

「じゃーん!見て見て!めっちゃ綺麗にできたよ!」

「……へ…?、なに、これ」

「婬紋だよ!感度が上がりますようにって丹精込めて刻んだから安心してね!」

痛い程の熱を感じたそこには、どこぞの漫画で見たようなハートに悪魔の羽根のような模様があしらわれた、紫に煌めく紋章がハッキリと刻まれていた。恐る恐る指でなぞると、ピリピリと僅かに電流が流れるような刺激が身体に根を張るように広がった。

夢じゃない、本当に夢じゃないんだ。だから今俺の頭の上をふわふわと飛び回る「まぁるちゃんの形をした何か」も、本当にいるんだ。どこか奥底で信じきれていなかった気持ちがひっくり返されていく。自分の指で触る事で今までの話が全て立体的になっていく。

「しかもね、この婬紋は目印にもなってくれるんだよ!さっき言った『メス堕ち』っていう基準、曖昧で分かりにくいよね。だからゴールが分かりやすいように、一定の快感が伝わったら消える婬紋を合図にしたらどうかと!…つまり、メス堕ちじゃなくて『今日中にこの婬紋を消す』のがゴールだと思ってやってくれたら良いよって事!分かった?」

「あ、あともう一つお助け機能付けちゃうよ!もーこんなの特別だからね?有難く思ってね?」

言葉が左から右へと流れていく。優しくされてるのか、無駄なものを増やされてるのかよく分からない。いろんな事が受け止めきれずもう黙って聞く事しか出来ない。

「じゃじゃーん!……って、今は分かんないんだけどね!…題して!自分に対しての性欲が可視化される!『性欲メーター』!」

「その人が自分に対して抱いている性欲をパーセントで表してくれるスグレモノだよ!これほんっとにとっておきなんだからね!数値が高い人を狙ったり、低い人を定めて煽ったりする事もできて、効率的にセックスに持ち込めるよ!」

ピピピ、ピピピ……聞き慣れたアラーム音が鳴り響いてハッと息を吐いた。いつもの生活音がやっと耳に入ってきて緊張が解けたのか、いつの間にか忘れていた呼吸を取り戻した。でも夢じゃないんだ。これは全部本当の話なんだ。頭がおかしくなりそうだった。

「あぁ、…アラーム鳴っちゃった!僕もう帰らなきゃ…」

「ぇ、ま、待って、…ねぇ本当?これ本当にやらなきゃだめなん?」

「本当だってば!大丈夫!こんなにいいお助け機能があるんだから、…それに、まーしぃなら!絶対絶対できるよ!僕、ずっと応援してるね!」

まって、と往生際悪く口にしたが最後。めいっぱい広げた羽根で全身を包み、そのままくるりとひと周りしてその姿を消した。

まだ上体を起こしただけなのに、酷く疲れた。よく考えれば考える程、今まで起きた事全ての意味が分からなくて信じられなかった。ただ、そこに残ったのは下腹に刻まれた紋章、そして白い羽根が一枚。

スヌーズで再び鳴り出したアラームが今度はうるさくてうるさくて仕方がなかった。消そうと目線を流した画面に表示された時間、7:30。それを見て何を思ったか、自分が信じられなかった。

時間が無い。早く、誰かに会って、セックスをしなければ。そう思ってしまった。

立ち上がった瞬間ポキポキと鳴った腰は重いが、きっと明日はもっと重いはずだと、なんなら重くなってなければいけないと思った。







玄関には二人分の靴が脱いであったがどちらも見慣れたものではなかった。スタッフさんのものだろう。

あれから、俺は何度も何度も頬をつねった。本っっ当にこれ夢じゃないの?とこの状況を信じたくない気持ちがずっと生まれた。なんなら今もある。
今日の打ち合わせはいつもより大きめな仕事の話らしく、何名か外部からのスタッフさんが来て下さるということで、とにかく遅刻する訳にはいかなかった。そんなこんなで、何にも気持ちの整理が出来ないまま、ここまで来てしまった。

「お、…はようございます」

「あ、志麻さん、お邪魔しております。本日はよろしくお願い致します」

撮影部屋には思った通り初めましてのスタッフさんが二人いた。ご丁寧に挨拶をしてくれている。だから、大人として、これから仕事を一緒に進めていく仲間として、こっちも気持ちよく挨拶を返さないと、とは分かっているけれど。

二人の顔の横には、鮮やかなピンク色のゲージが表示されていて、それどころでは無いのが本心だ。

よくゲームで見るような、HPゲージの縦版みたいな、いかにも取って付けたようなそれ。ピンクの液体状のようなものがゲージ内にタプタプと揺れているが、目盛りなどは無いので上限が分からない。ただ、下に数字が表示されている。
一人の方は『3』。もう一人は『6』。

これか。これが、あいつが言ってた『性欲メーター』…。

「……こちらこそ…!よろしくお願いしますっ!」

よかったぁぁぁ。まじでよかった、安心した。めっちゃ低いじゃん。思わず本心のニコニコ笑顔を出しながら、同じ部屋にいる人へのものとは思えない音量で返してしまう。朝からテンションくそ高い変なやつと思われたのか、ただ単になんか萎えちゃったのか、一人の数値が『5』に減った。うわ、数値ってこんな感じで変化するのか、と見た事無いものへの好奇心みたいなものが少し湧いてしまう。

他の人のゲージも見てみたいな。メンバーとかどれぐらいなんだろう。この感じだと、いっても三十とかかな。てか上限なんぼなんやろ。
どこか上の空で考えながら、荷物をおろして適当にソファ下に腰掛ける。

「おはようございますー」

「おー!うらたさん、おは、ょ…………え?」

シンプルなモノトーンコーデに、今日は珍しくホワイトのキャップを被っているうらたさん。朝っぱらからの打ち合わせにもかかわらずビジュが良い。だが、だがしかし。申し訳ないがそれらを褒めるような言葉をかけてあげられない。またしてもそれどころでは無い事が起きてしまった。

『70』。うらたさんの顔の横には『70』と、間違いなく『70』と書いてある。

うそだろ。そんな馬鹿な。だって、だってあのスタッフは『3』だぞ。

「…おーい、大丈夫?聞こえてる?」

「……っあ、あぁ〜!大丈夫大丈夫!ちょっとぼーっとしてただけやってぇ!まだ寝ぼけとんかなぁ〜?あはは……」

へんなの、と眉間に皺を寄せながらコンパクトな荷物をおろし、スタッフさんの方へと何やら話をしに行ってしまった。そんな中でも俺は未だにそのゲージから目を逸らせずにいた。何度見てもその数値が変わる事は無く、ピンクの液体はタプタプと揺らめいている。

『70』って、具体的にどのレベルなんだ?スタッフさんを普通の状態だとして指標にした場合、まじでとんでもない数字ではないか?別にうらたさんにいつもと違うような言動は無い。という事は今まで常に『70』だったって事になる。俺は今までもずっと性欲が『70』の人と一緒に過ごしてたって事?逆になぜ今まで襲われなかったのか不思議でならない。どんだけだよ、その理性。

スタッフさんが持ってきてくれたコップに溜まったお茶とにらめっこしながら、内心心臓をバクバクさせていた。

だって、これは、よくよく考えてみれば大チャンスでしかない。すごく親しくて、信用が出来て、自分に対する欲が『70』の男が今目の前にいる。ちょっとイけそうな雰囲気出せば、多分余裕で、せ…

いやいやいや、いやいや。ダメだってそれは。

今後の関係に支障が出かねない。というか絶対に出る。メンバーとセックスだ??そんな馬鹿なことあるか。無いだろ。無い。

「……ぅっ、」

お腹が、疼く。かいた汗がじわじわ染みてきて、服が擦れる度にちりちりと熱を持ち出す。焦る気持ちと連動するように急かしてくるこの紋章が、正常な思考を段々と無くしていくのが怖い。

こんなの、こんなのあんまりじゃないか。セックスするのも地獄、しないのも地獄だなんて。こんな事考えてる今だって、周りは普通に過ごしてるっていうのに。俺一人だけ一体何を考えてるんだ。本当に情けない。本当はこんな事、メス堕ちだなんて、やりたくもないのに。

「…それは嘘やろ〜」

「ぇ、」

「ホットミルクとたくあんでコーンスープて、そんなこと無いやろぉ」

「お前知らんの?結構有名やぞこの話題。…坂田お前まさか、プリンと醤油でウニの味になるやつとかも知らんの?」

「えぇ〜なんそれ…、知らんわ」

「はぁぁ〜〜?じゃあ逆に何を知ってんねんお前」

「なんでそんな言われんとあかんの??そんな重要な事なんこれ??」

そうか、なんだ、違う会話か。あまりにも酷い状況にどうしても自意識過剰が過ぎてしまう。お前らアホな会話してんなぁとうらたに言われながらも軽く挨拶をしながらやってきた、おそらく、坂田とセンラ。

「まーしぃおはよぉ」

「おはようございまーす」

怖い、ゲージを見るのが。でも、挨拶はしなきゃ。人が沢山いる中で挨拶もしないなんて感じ悪くて嫌だし。だから顔を上げなきゃいけない。顔を、ゲージを見なければ。

ずくり、ずくり。

「……お、はよ………………ぉぉ、…」

『90』 『140』

無理。死ぬ。色んな意味で死ぬ。
『140』。『140』??いい加減にしろ。挨拶しただけだぞこっちは。何となく100だと思っていた上限を悠々と越えてきたセンラがもう怖い。確かにむっつりっぽいけども、平常な顔して内がド変態なタイプだとは思ってたけども。そして坂田もちゃっかり『90』もあるの中々やばい。スタッフの『6』からのうらたの『70』でかなり身体が強ばったというのに、メンバー内ではまさかの最下位だったという事実。信じられない。

センラの顔の横にあるゲージはピンクの液体が満杯状態を超え、こぽこぽと溢れている。

「ん?大丈夫?」

「…っ、!…ぁ」

顔を直視しながら急に固まった志麻を見て不思議に思ったのか、肩に手を伸ばした坂田。

志麻は咄嗟の出来事でそれを強く振り払ってしまった。

無駄に響いてしまった渇いた音。水を打ったような空気を感じて、自分のした事を改めて感じて、サーっと血の気が引いていく。さすがに良くない事をしたかな。あっちは何にも伝わってないわけだから、これは。

その時、ちらりと視界に入ったスタッフのゲージの数値がくるりと変わった。

『2』

下がった。

ずき、とした胸の痛みは一体なんだろう。別にこんな他人の性欲なんざどうでもいいはずなのに、なんだろう、すごく、嫌だ。感じの悪い志麻を見て、少しでも嫌いになった?志麻の事、冷めた?あぁ、すごく嫌かも、これ。

肩をふるりと強ばらせながらも坂田の方をしっかりと見て、震えた声で伝えた。

嫌だ。せめてメンバーには、嫌われたくない。ごめんなさい。

「ぁ、……ご、めんなさい……ごめん、ぁの、」

多分、今俺は酷い顔をしている。凄まじい脳内の混乱と得体の知れない謝罪への焦り。もう自分でもよく分からない。ぐるぐると変わる自分の感情が心地悪くて嫌だ。顔や耳や下腹や、所々に熱が集まっているのが自分でも分かった。

くるり

「…あはっ」

『110』

「は…」

「ええよええよ〜そんな謝らんでも。こっちが悪いんやんなぁ? 首とか急に触られたらそりゃビビるわ。ごめんなぁ?」

「…なんだよ、喧嘩でもしたのかと……すみません、お騒がせしました」

うらたの一言でほわほわと緩やかに動き始めた空気が緊張を解いた。自然と肩の強ばりは和らいだ気はするけれど、でも、今のはなんだったんだ。

『95』

少しだけ元には戻っているが、一瞬数値が急激に上がったような。それと、あの笑い方。あんな坂田の目、見た事がない。本当に一瞬だけ瞳から光が消えて、世界がぐらりと揺れたような気さえした。いつもはあまり頻繁に目も合わせないから余計に強い。もう一度でもあの目に捕まったら、一体どうなるのか分からない。

「…志麻くん」

「っなに?」

「…なんか今日変やで?大丈夫?」

思考の旅に出ていた志麻の目の前に、すらりとした手が軽く振られた。その途端、志麻の思考はそのままその手へと並行移動していく。
センラの手だ。清い鍵盤を叩く、白く綺麗な手。全体的に大きめで指が長く、装飾品がよく映える理想的な手。それはよくマイクを握ったり、書類をまとめたり、時に何かしら志麻にだって触れる手。

自分は今何を考えている?
自分は今何を望んでいる?

その手に、何をされる事を望んでいる?

「しまく、すごい汗、ねぇ」

「ぁ、…っくぅ…!」

「…どこ………ここ?、お腹が痛いの?」

「っぁ♡…ん!」

「………え」

無意識にきゅっと握りこんでいた、服の下腹辺り。それを見てか、センラはその手で服の上から下腹を軽く撫でてくれた。

その紋章から広く緩く、刺激が伝わっていくのが分かって、自分から聞いた事のない上擦った音が出た。咄嗟に口を両手で押さえたけど、もう遅い。声に反応して、センラの手は動きを止めた。

やばい、やばいやばい。どうしよう、変な声出ちゃった。どうしよう。引かれた?どう誤魔化せば、待って

「……ぁ、こ、これは、…ちがくてっ…………」

くるり

「………っ、……うそ、」

『300』

「うそっ、うそうそ、まって」

「ちょ、どこ行くんっ、」

これは、良くない。とにかく今はセンラのゲージを見たくない。どれぐらい数値が増えたかなんて知りたくもない。みんなとの差とか、なんでそんなに増えたのかとか、考えたくない。とにかく今は考えたくなかった。

志麻は咄嗟にそこから逃げ出した。ありえない現実から目を背けたくて、とにかくその場から離れた。でも外に出るのはさすがに自分の首を絞めてしまうような気がして、この家の中でとにかくどこかの部屋に、と。

結果として、まぁその部屋がダメだった。

志麻はリビングから一番遠くの部屋、すなわち寝室へと逃げ込んだのだ。

もう少し冷静になって考えてみれば、別に外に出たって良かったんだ。そうすれば絶対にそういう事には及べないのだから。でもその時の頭には、その常識的なモラルが選択肢に無くて。

こんないかにもな所にわざわざ逃げ込んで、メンバーを呼び寄せる事になってしまったんだ。







『……まーしぃ……聞こえる……?』

『僕だよ……まぁる………』

『すごいよ……もうこんな段階まで踏み込めたんだね……さすがだよ……』

『あともう少し………その踏み出せないあと一歩を…………僕が助けてあげる……』

『今日だけ……今だけ……理性を捨てるんだ……自分の欲に抗わないで………誰もまーしぃを嫌ったりしない…』

『むしろ、だぁいすきだって気付いて、虜になるよ!』

『がんばれ!まーしぃ!』








「_____………っぁ、は……?」

寝室に逃げ込んだ途端、頭が真っ白に飛んでしまうような高音波が響いて、どこかで聞いたような声が聞こえて。応援の言葉を最後にその声は途切れた。

頭が静かになった後、身体がどこか自分のものじゃないみたいにそわそわと粟立つ感覚に襲われた。そのうち、脚の関節がズレたような違和感が訪れて立っているのがきつくなってきた。倒れ込むようにクイーンサイズのベッドに寝転がり、紋章の辺りからぐわぐわと熱に染まっていくのをじっと耐えた。

自然と息も上がってきて、苦しい。あいつの声が聞こえた辺りから急に身体がおかしい。あと一歩を助けてあげるとか何とか言っていたから、きっと何かまた魔法を仕込んだのだろう。とにかく暑い、苦しい。誰か…

『理性を捨てるんだ』

やっぱり身体は熱を持ってしまって、濃厚なセックスを求めている。

それは今死ぬ程分かったけれども、やはり心がどうしても受け付けない。今朝この課題を課された時から、その相手なんて決まっていたようなもんだった。結局のところ、メンバーしかいなかった。自分がもし抱かれるなら、許せる相手はそれだけだった。

メンバーとならセックスが出来ると認めてしまっている自分が、怖くてたまらなかった。なんなら少し想像なんかして、変なプライド捨てて、本当の事言って頼み込めば…なんて。この事をどこか前向きに考えてしまっている自分が怖かった。

だから三人のゲージを見た時、特にセンラのゲージを見た時は…頭が狂いそうだった。あの短い時間で色んなことを、頭がパンクするぐらい考えた。志麻の事をそういう目で見てたのかなとか、意外と簡単にいけるじゃんとか、でもこれなら尚更適当にセックスなんかしちゃいけないんじゃないかとか、そもそも本当の本当にセックスしちゃっていいのかとか、したとして今後の関係とか、それが仕事にどういう影響を与えるかとか。

でも、こんな身体じゃ。あいつがずっと見てて、欲を支配されてるんじゃ。いくら考えたって無駄じゃないか。

考えて我慢したってこの紋章は消えないんだ。メンバーの振る舞いはいつも通りだった。という事はいつもあのレベルの欲が内に秘められてるって事で、今日セックスしたって別に悪い事じゃないだろう。むしろwin-winじゃないか?

心の奥底にどかりと横たわって、知性を侵略していく欲望がどうしても拭えなかったから。それが分かったから。見ないふりしても無駄だと分かったから。

ぐちゃぐちゃになっていく頭は、もう白旗を掲げて思考を放棄したんだ。この瞬間に。

「志麻くん…?、センラです。開ける、よ?」

センラさん?センラさんか。センラのゲージは確か『300』で、メンバーの中でも一番だったはずで。
一番、しまの事、そういう目で見てた人。

ずき、ずき、と断続的に痛み出す淫紋で頭の中はいっぱいになる。センラがこれを何とかしてくれたらな、センラなら何とかしてくれるよな…そう思うと止まらなくて、

「…………入って…」

「…失礼します……!」

かちゃりと弱々しく開いたドアから入ってきたセンラは、ベッドに泥のように沈んでいる志麻を一目見た瞬間にこちらに小走りでやってきた。

「志麻くん…大丈…夫じゃ、無さそうやな……今どこがしんどい?いつから?」

寝ている志麻と同じ高さになるようにしゃがんだセンラは、少し焦った様子で志麻に語りかけてくれた。今こんなに弱っているという事は前からの蓄積があったのかとか、何かメンバーに伝えていない体調不良を抱えたまま過ごしていたのでは無いだろうかとか。
そこには沢山の心配とすこーしだけの怒りとが混ざっているような、そんな愛が見えた。あぁ、優しい。本当に優しくて、一応年下なのにいざという時の頼りがいもあって。情のある男。暖かいセンラの言葉が、悲鳴をあげそうな身体に染み渡って心が満たされる。
でも、それと同時に。
やっぱり、下腹部が燃えるように熱くなってしまうのが辛かった。

「…あかんね…顔真っ赤やな………熱は?」

「…ぇ、あ、」

そろりとセンラの手が志麻のおでこに伸びてきた。おでこにぴとりと手のひらをくっつけた後、するすると輪郭を沿って首の辺りに行き着いて。

「…っ、ぁ♡…ぅ」

「…」

きゅ、と脈を測るように小さく力を込められた瞬間。喉が少しだけ締まるような感覚が訪れて、下腹部の淫紋が一層熱く波動を出した。その拍子に、出さないよう意識していた声も溢れ出てしまった。

ぎゅる、

『360』

「……っ、♡」

「…なに、嬉しそうな顔して」

「、ちが、ぅ」

「……そうやんな。違うやんな?」

違うって言って。
じゃないと…なんか、勘違いしそう。

『380』

顔に熱が集まってきてドクドクと心臓がうるさくなってくる。恥ずかしい、やだ、顔を背けたくなるけれど、じわじわと数値が上がっていくセンラのゲージにどうしても目を奪われてしまう。センラの目が段々と据わってきて、こちらを射抜くような視線が痛い。痛いけど、嬉しい。もっと、欲しい、のかもしれない。

じゅわり、常に痛みに似た刺激が走っていた下腹部の淫紋の動きが変わる。暖かい。大きな波。太ももの内側にきゅうと力が入って膝を擦らずにはいられない。…気持ちいい…?

「…せんら、……おなか、見て。しまの」

「お腹…?」

そのまま従って志麻のベルトに手をかけたセンラ。かちゃかちゃと音を立てながら、人のベルトだからか外しにくそうに少し乱暴に外されているのが分かる。

「…っ、………ぁ♡……ん」

「……くそ」

その微妙な動きでスボンやパンツが下腹部に擦れる度、変な声が出てしまう。無意識に口を押さえたけれど鼻から抜けるそれはどうしようもなかった。興奮で、手が震えている。微量な肌への刺激が、もっともっと早く、深いものを望んでしまう。見て。そして早く、こっちに来て。

「……なん、これ、」

「っ、せ、せんら…引かんといて、おねがぃ……でも、見てほしい…」

「いや、これ……」

下腹部がさらけ出されて、外気がふわりと触れる。恥ずかしくてまじまじとは見れないけど、センラの顔がその淫紋の辺りに近付いているのが横目で見えた。
変な趣味だと思われるかもしれない。今朝、まぁるちゃんが目の前に現れて、淫紋を付けられたんですと伝えても、どこまで信じて貰えるか分からない。自分でもまだ信じられない程なんだから。描いたの?タトゥーシール?こんな趣味あったんだ、なんて思われたらどうしよう。
自分から誘っておいて今更そんな事を思ってしまって、少しの恐怖が訪れて、でもどうしてもセンラに嫌われたくはなくて、頭がぐるぐるして、何とか上体を起こしながら淫紋の辺りをちらりと覗き見た。

『400』

「………えろすぎ、なんなんこれ」

センラの脳を介してない直の言葉が耳に入ってきて心臓が一度大きく鼓動を打った。その瞬間身体が熱くなって、血がぶわりと身体の中を通っていくのが分かって汗が滲み出て止まらなかった。
息が上がる。肩が浮く。噴き出したゲージから、興奮しきった様なセンラから目が離せない。早く、早く…なんとかしてこれ、センラ。

「あんな、あの、しま、」

「…ゆっくりでええよ…」

「ぁの、…お腹のもよう、あつくて、いたくて、…消したいん、…やから、なぁ…」

『500』

「しまと、せっくすしてほし、ぃ」

「……何言うてんの、ほんまに、……ほんまに、あの…」

ぎゅるぎゅる、ゲージの数値が上がっていくのが見える。志麻はどこかそれが怖いような嬉しいような、いや、内心かなり嬉しいような気がした。志麻の一挙手一投足にポロポロと理性を落としていくセンラが可愛くて愛しくて、…好きで。

「これ、せっくすいっぱいしたらな、消えるんよ、相手はだれでも、ええんやけどな…」

あぁ、何を言っている。おかしいよ。もう頭が回らないから、今思ったことをなんでも言ってしまう。センラだって志麻の事見て興奮してるんだから、だから許して。今日だけは。

「せんら………なんか、せんらがいいなって…」

「おれ、せんらに抱いてほしい…かも」

「ま、あの、まってほんまに、あかんわ」

『…ERROR』

「志麻くん、それ今日、他の奴に見せたり言ったりしてないよな?絶対あかんで」

「…ふふ、するとおもうん?………しま、センラしかおらんよ。センラしかしらんの」

ERROR。エラーって事は上限を超えたという事だろうか。そう思うと嬉しくて何かが込み上げてくる感覚に襲われる。どくどくと脈打つ淫紋が早く早くと急かす。早く、早く、、

「ね、はやく…しよ…せんらっ……ぅあっ」

「あ、ちょっと、焦らんで、!」

おもっきり力を込めて上体を起こして、センラの手を引っ張る。急に体勢を崩されたセンラはベッドに倒れ込んで志麻を潰してしまうのを必死に避けようと、思い切り手を付いてブレーキをかけた。結果的に志麻をベッドに押し倒しているような体勢になった時には、もうお互いの顔はすぐそこで。重なるのに言葉はいらなかった。

「…っん、ぁ……ふ、はぁ…♡…へぁ、……へんあ、♡」

くちゅ、と卑猥な音を立てて合わさった唇からセンラの熱が伝わる。さすが人が一番敏感な所というだけあって、口内で舌が触れ合った瞬間、もうセンラとのキスの事しか考えられなくなった。角度を変えて深くなるに連れて酸素が少なくなる。頭がほわほわしてきて無意識にセンラの口の中でセンラの名前を呼んだ。

愛しい。嬉しい。気持ちいい。

「……、はは、なんちゅう顔してんの」

「…ぁ、せんら、…まだ、もっとして」

「後でいくらでもしたる、でも、この印先に消そうな?しんどいやろ」

「…ん゛ー…ちゅーしたぃ、…くちで、せっくすすんの」

「…っ!そんなエロいのどこで、」

キスだけでもう「待て」が出来なくなった志麻はセンラに強引にキスをかました。がち、と歯が当たる事でさえも、激しくて嬉しいとまで思ってしまう程理性が途切れてきた。センラって普段は紳士だけど、アルコールを入れた時等に少しだけ見せる乱暴な所があって、今思えばそれがたまらなく卑猥で、堪らない色気を感じていたのだと思う。その禁断の引き出しを今日開けることが出来そうで、期待してしまう。もっと、もっと見てみたい。

「…っ、ぁ♡…んん、ぇあ♡…はー、っ、♡」

「…っ志麻くん、息して、」

「んん゛、ぃ♡…ぁ、ん♡」

口を離す少しの合間に呼吸を促してくれたけれど、その少しの間でも離れたくないと思ってしまう。むしろ今、口が塞がれて、鼻炎で鼻が通りにくくて、息が出来なくて、死にそうなのが…

「ふは、息せんのがええの?……変態やん」

どく、どく、心臓がうるさい。センラの尖った言葉が触れる度動悸がすごくて脳がふわふわで、苦しすぎるぐらい気持ちがいい。

センラは器用にもエロいキスを続けながら、服をまくって肌をさすった。腰や腹、胸の下。ギリギリのところをとんでもなく卑猥な手つきで撫でられると堪らなかった。

「…ん、ぁ♡、ぁ♡…は、……っぁ゛!?ぇ゙あ!?」

「…あー、……あっついねここ、痛い?」

身体を撫でていた手がするりと淫紋に触れる。どうやら外から触っても熱があるようで、驚きもあって志麻が大きめにリアクションを取ったのを見て、いじめるように指でさわさわと触れてくる。その度、ちり、ちりと火花が散る様に快感が脳に飛び散る。

「ぃ゛ッ!、あ゙♡…ぁあ♡……はぁ、ん゛ッ!♡いい゛♡」

「気持ちよさそうやねぇ、……これ、もっと押し込んだら気持ちいい?」

「ん゛ッ!や゙っあ゛♡…だめ、ッ…それはッ♡だめかも、っ…!!……ッお゛ぉぉ♡ああ゛♡」

淫紋のど真ん中。女の子なら子宮の辺りを、センラの力でぐぐっと抑え込まれる。バチバチッと繊維がブチギレるような音が脳内で鳴り響いて、遅れて熱が爆発する。不思議な事に性器には全く刺激が無く、全ての快感をナカが感じてしまっている。
人生で一度だけ挿れた事のある後ろの穴。あの時は何とも感じず、むしろ不快感さえ感じていたのに。今まさにナカが激しく疼いている。これも魔法の力なのか。それとも、相手の力なのか。

「ぃ゛あ♡…ぁあ゙ん♡…?…っ!?せ、あ゙♡…せんらッ!…せんらぁッ♡」

「ん〜?」

「…っぁ♡、はぁ…せんらッ、お…しり、っ、!」

「おしり?」

「な、か♡…んん?……ごめ、ッびしゃびしゃ、ぬれてる……ぅ゛、」

センラが淫紋をいじめ出した頃から、何故かおしりの穴から漏れだした愛液がパンツとズボンをびしゃびしゃに濡らしてしまって、ベッドにまで滲み出ていた。これは…絶対に魔法だ。ここまで来たら分かる。ありがとうまぁる。とはいえベッドや服を汚してしまった事には罪悪感を感じてしまう。

「ッごめ、ん…ちょっと、ちからでんくて……ぬがしてほし、ぃ……」

「……」

「…せんら?」

「……いや、このままやろうや」

「…っ?、ぇ、ちょっと、…」

「非現実だけど、現実だって思いたいんよ」

いつもよく着ている黒の前開きトップスに、これまたよく着るパンツ。どれも配信に映したこともあるくらい「志麻」の私物だ。そうだ今日に限って志麻はとんでもなく「いつもの志麻」だった。

「この服、前配信でも着てたやんね」

「…ぅん、ッ!?…ッぁ゙あ゛♡、だめッ、やら♡、押すのっ、やめでッ…ぅ゛あぁ♡」

「全部いつも通りなのにさぁ、服めくったら子宮にこんなエロい模様付けてセックスしよぉとか言うてさぁ……ド変態やんな?」

あぁ、だめ。センラってスイッチ入ったらこんななの。センラの言葉で改めて客観的な自分を理解する度、ゾクゾクと身体に性が走る。しんどいと思ってるのは自分だけ…周りから見たらただの変態なのだろうか。あぁ、堪らない。

「ぅ゛ッ♡、んん゛、ひ、ぁ゛…ごめ、なさぁ゙ッ♡」

「なに?もっかい」

「んん゛ッ♡…へ、んたぃで、!…ごめ、なさぁ…ぃ゛!♡」

「………はぁ…♡…えろ、」

ゾクゾク、ゾクゾク。お腹が熱い。後ろが疼く。センラ。せんら。

「ッお゙ねが、ぃ♡…うしろ、ッ…あな、…さわって、ぇ゙っ?♡…たりん、ッ、!たらんの゙♡」

「ふは、そうよな?やないと消えんもんな♡この気持ちいいの…それとも、気持ちいいならこの模様残しとこか?」

「…ぃ゛、や!♡…ぁあ…ぐりぐり、ぉ゛…だめ、 ♡うしろ、ッ!うしろがいい゛ッ♡」

『ERROR』

『ERROR』

『ERROR』

センラの横で永遠に表示されるERRORの文字に、何故か心が満たされていく。こっちまでERRORがおきそうなくらい。どうせなら志麻のゲージも全部見えたら良いのに。そうしたら志麻の気持ちも伝わるのに。

ズボンとパンツだけ仕方なく脱がされて、ローションを追加する必要も無いほど大洪水状態になっているそこに、センラの指が重なった。ぐちゅ、くちゅ、と穴の周りをなぞりながらゆっくりと徐々に徐々に浅い所から深く入り込んでくる。何かを探すようにぐるぐると指が穴を拡げていく感覚に、違和感しか感じない。だけど、先程の嫌という程の愛撫のせいか、その違和感でさえも微量な快感に変換されていく。

「………あ、これや、」

「…ん、?……ッえ、ぁっあ゙っうあ゙ぁ!!♡♡、きゅ、に、ッ♡、ぉ゛お゛ッ」

センラの指がかなり入り込んだ時、急にナカのしこりのようなものに触れられた感覚があって、衝撃が走った。その瞬間、つま先から脳天までビリビリと電流のような快楽が走ったのだ。こんなものはじめてで、あまりにも許容範囲を超えている。

「…気持ちいい?……こことか、」

「ぅ゛ぅぅ〜〜♡♡、ぁ、ぁ、それだめ♡…おすのッ、や、ぁ゛、お゛♡」

腰や足が自分のものでは無いかのようにビクビクと震えてきて止まらない。センラの指の動きに合わせて動く体はもはや志麻よりもセンラのもののように感じて、頭にモヤがかかる。こんな、手マン程度で、頭が白ける。

「………あは、そんなに気持ちいい?」

「…っえ、ぁ゛♡、ちがぁ゛ッ!♡まっで、せんあ゛…!♡」

「ほんまに初めてでこれなら才能やなぁ♡」

「やだぁッ!!…ちが、ぅ゛ッ!♡ぅぅ゙ッッ、ぉ゛お゛ぁッ、ぁあ゙ッ……だめ、ら、ぇ゛♡、なんでぇ♡♡」

入れただけでは何も感じなかった昔の自分とは明らかに違う。それは魔法のせいなのか。センラという存在のせいなのか。とにかくセンラの一つ一つの動きがいちいち全部気持ちよくて、思考が封じ込められていく。もっと手前じゃなくて、奥の方まで、とどんどん欲深くなっていく馬鹿な頭だけが残った。

ぐちゅぐちゅっ、いつか見たAVみたいな音が、自分の穴から鳴っている。その音でさえも興奮材料となって頭を占領する。いや、変になる、何か来る、早く、やめて、もっと。

「…しまくん、息できてるか」

「…ひ、ッ…ぁ゙♡…ぅぅああ゛〜〜、……!、ぁー♡ッひ、ぅ…ッ♡♡…ぃ、ぐッ…!ぃきそ、ッせんらぁッ♡…せんらッ!、…っひ、ぁ…ぅゔ♡♡」

「…いく?苦しいのきもちい?」

「ぎもち、ぃ゙♡、ぁッ…ひ、あ゛♡…やめ、んでッ!、もっ、どッ、ぉ゛ッはっ♡…ぁ゙〜ッ♡…ぅぅ゙♡♡ぃくいぐッッ、♡いぐっ!♡」

「……っ、いけッ…」

「んん゛ーッッ!…っが、ぁ…あ゛ッ!♡♡いく、ぃく、ぃ゛く゛ッ!、_♡…せんあぁ゛ッ…!__♡♡」

「_ッはは、笑ってる」

全ての感情が高ぶって頂点へ達して、白んで、弾けた。上にいる途中もぐちゅぐちゅっ、と手を休めないセンラの鬼畜さが痛い程気持ちいい。上がったまま降りてこられない感覚が堪らなくて、頭がとんでしまいそうだった。とても長い絶頂をナカで決め込んだ後、身体の硬直が解けてベッドにぼさりと体重を乗っけた。

ぷつ、ぷつ、と未だに途切れ途切れな意識の中で、ぐちゅ、とナカに入ったままの指が動き出す音が聞こえてきて、ハッと目が覚めた。

「__ッあ゛♡、ぅあ!、まだッまだやってぇ゛!♡ぁあ゛ぉ゛ッ♡♡、ぅぅ゙ぅ゙〜〜!!♡♡まだッ、い゛っでるッ!だめ、だめッッ♡♡また、…ぁああ゛ッ♡♡、またッ、ぃく゛ッ!♡♡__っ、は、は_っぁあ゛ッ!……」

まだ余韻に浸っているナカのうねりに抗うようにセンラの指が強く動く。こちらが既に2回目のメスイキをキメそうな事もお構いなく、ぬちゅぐちゅと音を激しく立てるナカは痙攣が止まらず、センラの指にむちゅうと絡みついた。そのまま為す術なく、脚も股もおっぴろげた状態で2回目の絶頂を迎えた。

「…ナカうねうねやね。指離してくれんのやけど」

「…ッあー、ッ♡……はー、ふ…っう゛………はー♡」

「はは、トんでる?……かわいい」

ちゅぽ、と抜かれた指で輪郭をなぞられて初めて、そういえば志麻は全く自分の顔の事を気にしていなかったと気付いた。今、俺はすごくだらしない顔をしているかもしれない。口も閉じれない。目をしっかりと開ける力もない。想像するだけで、今更恥ずかしく感じてきて顔に熱が集まる。見ないでと言いたいけど、声を出す元気もない。初めてで2回連続でメスイキをしたという事実が体に重くのしかかって、動けない。

「…ごめんな、志麻くん」

ほわ、といつもの優しいセンラの声が耳に入った。志麻がダウンした少しの間で頭が冷えたのか、先程の鬼畜な雰囲気は無くなってきた。それに少しの残念さと、いま休憩したいからちょうどいいという安堵の気持ちが産まれる。

「これ」

「…ん?、…ッぃ゛!…♡………ぇ、」

「模様、消えてへんわ」

「…ぇ、」

「まぁそりゃそうやんな…まだこっからやし」

「…ぁの、ちょっと、きゅうけぃ…」

「…一生イけんくなってもええんか?」


「………ぇ、な、なんで、知って…」

「俺の指、魔法みたいに気持ちええやろ」

理解が追いつかない。嫌な予感がする。とてつもなく怖い、嫌な予感が。

「『まーしぃ』、続きする?」

センラの上着のポケットから除く、紫の尻尾の事は考えないふりをして。志麻はゆっくりと時間をかけて頷いた。

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